大受法経

中部経典第46経。現在が苦/現在が楽と、未来が苦/未来が楽で4通りに場合分けして、現在がどうであれ、未来の楽につながる行動を喩えを用いて促す。

  1. 現在は苦・未来も苦:良心の呵責に咎められつつ行う殺生、盗み、邪淫、妄語、中傷、冗舌、貪欲、憎しみ、邪見。「毒の混じった苦瓜」
  2. 現在は楽・未来は苦:快楽のために行う殺生~邪見。「毒の混じった酒」
  3. 現在は苦・未来は楽:意に沿わないけれども自制して行う不殺生~正見。「薬の混じった腐尿水」
  4. 現在は楽・未来も楽:意に沿って行う不殺生~正見。「蜜の入った酪」

「わかっちゃいるけどやめられない」は②で、そこに将来の不幸が潜んでいることに気づき、現在の行動をよい方向に変えていくこと。変えるのは辛いことだが、それも慣れてくればだんだん当たり前となり、将来のための辛抱ではなくて現在の幸福感につながっていくというアイデア。それが修行であり持戒であり、修証一如にもつながる話である。

去年の『跳龍』より。不昧因果を因果同時と捉えて修証一如で理解するのは、今年の晋山結制のテーマであり、私なりの結論でもあった。

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