ちょっといい話(3)人のほめ方

(長井法人会ワンポイント情報 令和7年1月号に掲載)

長井法人会の昼食会に呼ばれ、食後にコミュニケーションのお話をさせて頂いた。ハラスメントにならないダメ出しの仕方を考えてみるということで、「3つほめて1つ注意する」という提案をしたが、これを「3:1の法則」またはロサダラインという。数学者のマルシャル・ロサダが10年間にわたって業績のいいチームと悪いチームを研究し、ビジネスチームに成功をもたらすためには「メンバー間のポジティブな相互作用とネガティブな相互作用の比率」が、最低でも2.9013対1でなければならないことを突き止めたという。ポジティブとネガティブの割合がこのライン以下だと、チームの仕事ぶりは急速に落ち込む。ラインを上回る比率であれば、チームは能力を存分に発揮する。ただしほめ方にも注意が必要で、特に容姿・髪型・服装はやめておいたほうがよい。ほめるなら努力や行動を。
家庭教育では、ほめ方のコツとして「(後からではなく)すぐほめる」「(どこがよかったのか)具体的にほめる」「(笑顔で)はっきりほめる」「(毎回同じではなく)いろいろな言葉でほめる」と伝えている。とはいえ、子どもならともかく、大の大人に面と向かってほめるのはなかなか難しいものだ。恥ずかしいということもあるが、大体のことはできて当たり前だし、裏があるのではないかと勘ぐられる恐れもある。
そこで「喜ぶ」「感謝する」「頼りにする」「興味を持つ」といったバリエーションを加えてはどうだろうか。いわゆるアイメッセージ(「私」を主語に話す)というもので、「(私は)あなたのおかげでいつも助かってる」「(私は)任せて安心だよ」というような言い方であれば言いやすい。
3:1の法則は、機嫌の良い人と悪い人の比率にも当てはまる。職場に機嫌の悪い人が1人いると、機嫌のいい人が3人いないといい仕事ができない。自分が機嫌の悪い人になってしまわないよう、また周囲に機嫌の悪い人がいても伝染らないよう心がけたいものである。

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