妙法蓮華経・常不軽菩薩品を読解。誰にでも「私はあなた方を軽蔑しません。あなた方は軽蔑されていません。なぜならばあなた方は皆、求法者の修行をして、完全な悟りに到達した阿羅漢の如来になられるからです」と声をかけ、罵られたり嘲られたりした者が、死ぬ間際に法華経を授かって一発逆転、仏となって広く敬われたというお話である。
「常不軽」の原語はSadāparibhūtaで「(周囲から)常に軽蔑された者(sadā-paribhūta)」とも「常に軽蔑されていない(と言っていた者)(sadā-aparibhūta)」とも解釈されるが、お経では周囲から常に軽蔑されていたとは書かれていないため、後者が有力だと思われる。漢訳の「常に軽蔑しない」と能動的に解釈することは文法上ありえないので、意訳ということになるだろう。崩れたサンスクリット語という説明もあるようだ。
なすべき務めを果たしていれば、たとえ軽蔑する者がいたとしても、仏様はちゃんと分かって見守っていますよということかなと思った。「心身自らも愛すべし、心身自らも敬うべし」(道元)