家庭教育アドバイザーの関係で「子どもの生活リズム向上山形県フォーラム」に参加。東北大学加齢医学研究所の松﨑泰氏の講演を聞いてきた。この研究所の所長である川島隆太教授のお話が、どこまでがデータに基づいた話で、どこからが個人的な見解なのか分からないことがあったので、疑い半分の気持ち。
今回は朝食、睡眠、読み聞かせと読書、スマホの4つについて、学力にどれくらい影響するかという話。睡眠不足では授業に集中できないし、読み聞かせをしていれば文字や知識に興味が湧くし、スマホしながら勉強していれば集中できないのは常識的に分かる。
謎なのが朝食。「朝食で米を主に食べる子どもは、パン食の子どもと比べ言語野や言語関連領域の灰白質容量が多く、知能も高い」という話に、理由を質問したところ「腹持ちがいいからだと個人的に思います」という回答(笑)。ところが講演の中で取り上げられたスウェーデンの論文をダウンロードしたところ、栄養だけの問題ではないという記述が見つかった(http://www.diva-portal.org/…/g…/diva2:1243060/FULLTEXT01.pdf)。
「朝食の効果を栄養価だけに帰するのは問題である。子どもが朝食をとるかどうかと、それが学力に実質的な影響を与えるかについては、観察されないたくさんの要素に基づく可能性が高い。例えばその子どもの社会環境や、親のサポートである。」
そこで朝食については、朝食そのものよりも、家庭環境や親の意識などの影響が大きいのではないかと重ねて質問したところ、「それらも含めて影響があると考えられます」との答え。パン食より米食のほうが知能が高いというのも、手軽に出せるパン食と比べて、手間のかかる米食を食べさせられる家庭環境では、概して(例外はたくさんあるはず)子どもの教育にも関心が高いという説明ができそうだ。
「結局は親」このことは、長井市で読み聞かせプロジェクトのリーダーになったときも念頭に置いていた。読み聞かせをして、朝食を食べさせれば万事解決なのではなく、読み聞かせや朝食といった”方便”を通して親が意識を変え、どんな家庭環境でも子どもにもっと向き合おうというメタレベルで子育てを推進するべきなのだろうと思う。そのとき、”方便”それ自体が目的であるかのように伝えるのは、フェアじゃないかなという気がしている。