田舎に住む者としては、現実逃避で地方を理想化されてもなあという感じ。地方には地方の課題があり、好き好んで住んでいるというよりも、仕方なく住んでそれなりにやっている人が大半ではないだろうか。
そんなわけで全体的に共感しにくかったが、地域コミュニティの核として寺院が挙げられていたのは励まされた。寺離れに対して無関心でいてはならないが、世間に阿ってニーズとかコスパとか言うよりも大切な価値を模索していくことも必要である。
地域コミュニティの形成には核となる場所が必要です。できれば、道場や寺院や教会など、世俗の営利とは別の次元で運営されている場が理想的です。市場のニーズから生まれた場は、ニーズがなくなれば消滅してしまう。でも、非世俗的な場所は、世代を超え、時間系列を超えて、継承されてゆくものによって統合されているからです。
少子化は「問題」ではなくて「答え」であり、それを前提とした「来たるべき世界」の中で、自分はどんな役割を果たすことができるだろうか、若者は考え始めているとすれば、未来は明るいのかもしれません。