得体が知れなくてなかなか手を出せなかったお経『舎利礼文』を読解。注意深く読んでいくと、三身説のようなものや、修証義の発願利生に通じる教え、そして般若心経の呪願文も含まれていることが分かります。
最上の敬意をもって礼拝いたします。ありとあらゆる優れた徳を具えたお釈迦様を。
現実に姿を現しているお釈迦様のご真骨と、その本体である永遠の真理のお姿と、その真理を象徴する仏塔(ストゥーパ)の三つを我々が礼敬するとき、お釈迦様は我々のためにその真理のお姿を現し、我々の中に入ると同時に、我々もお釈迦様の中に入るという、お釈迦様と我々の出会いが成就します。
こうしてお釈迦様が我々の信心に応えて護って下さるので、我々は必ず悟りを完成します。すなわち諸仏諸菩薩や神々と同じ勝れた力によって、生きとし生けるものを助け、悟りを求める心を起こし、布施・持戒・忍辱・精進・禅定という菩薩の修行を行い、我々も生きとし生けるものも皆共に同じく平安の涅槃に至るのです。お釈迦様にも我々にも等しく流れる偉大なる悟りの智慧「般若波羅蜜」よ、我々は今まさに最上の敬意をもって礼拝します。