祖母の逝去(3)

この辺りの葬儀は、友引でない限り、亡くなって3日目に行うのが一般的だが、今回の葬儀は4日目に決めた。一番の理由はスイスに住んでいる叔母が参列できるようにするためだったが、土曜日になったことで子供たちが授業を休まず参列でき(小学校の登山があったが)、私もゆっくり準備できた。もっとも、葬儀の準備はこれで完璧ということがなくて、時間があればあるほど、準備することが増えていくものである。

3日目に行ったことは会場設営である。位牌や塔婆を書き、お供え物、椅子、鳴らし物を出して並べ、当日配る次第を作成した。夕方の入棺まで時間が限られている中、近くの若い和尚さんが香炉の灰ならしをしていって下さったのは本当に助かった。

古来インドより、祭主と祭官というのは立場が異なり、祭主が依頼すれば後は祭官任せなのであるが、お寺の場合、当日までの段取りは自分でしなければならない。しかしその分、自分のしたいようにカスタマイズできたともいえる。

葬儀の弔電については、わざわざ足を運んで下さった会葬者を差し置いて、披露の時間を設けることには常々疑問を感じていた。そこで当日配布する次第の中に弔電リストを加え、弔電は紙面をもって披露に代えることに。また、祖母はすでに寺族得度を受けているので、受戒の儀式も省略して時間短縮に務めた。

次第は、このごろ檀家さんの葬儀で親族にお配りしているものを手直しした。葬儀の流れと、その中での作法を簡潔に記してある。

葬儀次第

入棺では、清拭は逆さ水ではなく普通のぬるま湯、葬儀社さんにお願いして草鞋・手甲脚絆・天冠を省略、足袋・腰当て・数珠・頭陀袋だけにして頂いた。暗くて険しい黄泉の道を歩いて行くのではなく、諸仏諸菩薩に導かれて雲にのって行ってほしいという願いを込めた。入棺後の手洗いや、引き出物の清め塩はなくして、いわゆる「死穢」を意識させないようにした。

通夜は早めに終わり、深夜に帰る予定だった叔母の飛行機が遅れたため、残ったビールを飲んで就寝。子供たちは、義父・義母がきたので大はしゃぎで一緒に寝た。明日はいよいよ葬儀である。

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