動画配信『仏式クリスマス法要・サンタ菩薩供養』などで知られる真言宗の僧侶・蝉丸P氏が、仏教と、現代僧侶と、インド哲学について極めてオタクな視点で斜めから見た書。「お盆やお彼岸などの忙しい時期を除けば、暇はあっても全て拘束時間内ということで、必然的にインターネットに接続している時間が長くなります」という立場は私も同じなので、共感して読めた。ネットやゲームの専門用語については丁寧な脚注が付されていて、そちらも勉強になる。
般若経典が俺のジャスティス。
法華経しかありえねーだろ常識的に考えて。
浄土経典の救済力は異常。
密教経典が最速で悟りだっつーの。
などという具合に、ネット用語が散見されてクスクス。宗教をOSに、宗派を同人による二次創作活動に、仏壇を携帯電話に(本尊はアンテナとSIMカード、宗派は通信サービス、住職は回線工事者だとか)、戒名料をネットゲームのアイテム課金に譬えるなど斬新で面白い。
そればかりでなく、簡素化される葬儀や、南方上座部仏教至上主義への警鐘など、現代の仏教に対する意見も大いに考えさせられる。批判されることの多い伝統仏教も、「安心を担保」するという機能があるというのは、自らはあまり強調できない(宗教的な恫喝と誤解される)だけに溜飲が下がる思いがした。
著者のように、現代的な視点で仏教に取り組みながら、伝統の保守や再評価をきちんと行なっていく姿勢をもちたい。
もうすぐクリスマスだが、この時期になると毎年この動画を見てしまう。
はじめまして、突然の書き込み失礼します。大学でインド哲学を学びたいと思い、大学受験生をしている二十代前半の者です。先日おの様のHPを見つけて以来度々お邪魔させてもらっています。私は十代前半より輪廻転生などに興味があり、加えて占い好きだったのですが、数年前にインドの星占いを学ぶようになってからインドの精神文化そのものに興味を抱くようになりました。こちらの話を一方的にしてしまい申し訳ありませんが、私も同じ山形県しかも置賜地方の在住で、身近にインド哲学を研究されている方がいらっしゃると知りとてもうれしくなりました。長文・駄文失礼しました。HPとブログ、また拝読させていただきます。
近隣ですね。今度お寺にお越しください。
インド哲学の難しさは、信仰と学問の切り分けにあるように思います。信仰の厚い方ほど、学問として客観的に取り組むのに苦労されます。私は反対に信仰が薄くて、それはそれでお寺の住職としては苦労しているのですが。
短大で講義しているときジョーティス(インド占星術)の話になり、詳しく知らなかったのでひと通りどんな感じか勉強しておきたいなと思っています。
コメントありがとうございました。度々ご覧になっているという言葉を励みに、また更新したいと思います。