地元の短大で教えている半期の講義が終わり、夏休みに入った。受講者は134人と、昨年のちょうど2倍にあたる。昨年は制度の関係で1年生しか履修できなかったのが、今年は1,2年生とも履修できるようになったので増えたようだ。全学で580人だから、5人に1人は取っている計算だ。入学前から、ホームページに公開されているシラバスを見て受講したいと思っていたなどという人もいて嬉しい。
今年度の15トピックは次の通り。これを毎時間1トピックずつ進めた。
1.日本語の中のインドの言葉
2.七福神の成り立ち
3.カレーライスの歴史
4.無常について
5.苦と解脱
6.輪廻と地獄
7.善悪の基準
8.愛と慈悲
9.ゼロの発見
10.心とは何か
11.身分と差別
12.議論と論理
13.仏教と女性
14.家族のあり方
15.恋愛と結婚
90分の授業のうち、トピックの講義は60分ほどで、あとの30分は前回の授業で寄せられた質問に答えるコーナーにした。質問のレベルは相変わらず高く、1週間かけて調べていかなければならないものも。そのため私にとってもとても勉強になった。
昨年は1年生だけで、ガリ勉風の学生ばかりだったが、今年は2年生もいるせいだろう、垢抜けた感じの学生や、ダルそうな学生もいた。それでも受講態度はみんな真面目で、私語を注意したのは1回しかなかった(眠っているのはいたかもしれないが、教室が広すぎて不明)。
資料はネットでダウンロードできるようにして、学生にはURLを教えた。ダウンロードできなくて、トップページに行ったら何かゲームのページだったとか。
昨年は普通のスーツで通したが(それだけでも普段作務衣の私には珍しい)、今年はインドのジョードプーリーを着て行ったり、仕事の都合で改良衣で行ったりしているうちにファッションショー状態に。質問で「先生は結婚していますか」というのがあって、はいと答えたら教室内が「えーーーーっ!」とざわめいたこともあった。生活感がないとか。
成績評価は出席点8割レポート2割として、毎回感想・質問カードを提出したものをチェック。さらにレポートは授業内容に関する小論文と、三十三観音(今年は置賜三十三観音が史上初のご開帳しているのに合わせて)レポートの2本。三十三観音レポートが今月〆切で、来月に成績を提出する。
感想・質問カードのチェックは、授業が終わって昼食のときにしていたが、全部読みながらなので小一時間はかかる。そこで米沢市内のタイ料理店や、学食を利用。学食はついたてで隔離された教職員専用テーブルがあるのでくつろげるが、ついたての陰ではあられもない姿で寝ていたり、恥ずかしいトークで盛り上がっていたりといった女子大っぷり。見ないふり、聞こえないふり。
はじめに「この授業は就職の役には立たないと思いますが、人生で参考になることがあるかもしれません」と言った通り、どの授業でも生きるとは何か、幸せとは何かということを考えてもらえるように努めた。将来何かに迷ったとき、授業のことを思い出して、資料ファイルを開いてくれたらいいなと思う。
道中の往復100分は、昨年はラジオを聴いていたが、今年はずっとマーラーの5番を聴いていた。マーラー5番の聴き比べについてはまた後日書きたい。