塔婆の字を間違ったら

お寺の便利グッズに、塔婆の文字削り機というのがある。
1文字だけ削れるグラインダータイプ15,000円と、全体を削ってしまうカンナタイプ240,000円があるようだ。
カンナタイプは、前の家が立てていった塔婆を持ち帰って削れば原価ゼロだなどと冗談で言われるが、この金額なら実際にリサイクル用に使うのではないだろうか。古い塔婆は、田舎なら墓地で燃やせるが、都会では燃やせないだろうし、可燃ゴミにするわけにもいかない。だとすれば古くなる前に削って再利用するのも(心情的にはともかく)理解できなくもない。
私はどちらももっていないが、字を間違うことは避けられない。塔婆の原価はせいぜい300円くらい(3尺×2寸)だが、一文字間違うだけで捨ててしまうのはもったいないし環境によくない。そこでうちで使っているのは彫刻刀。丸刃で削って、紙やすりで磨いて字を消す。
でも檀家さんの家に着いてからではそんなことをやっている暇はない。そういうときは太字の筆ペンで二重線を引いて、右側に訂正させてもらう。
また本格的に間違えてしまったり、せっかく書いたのに引き取り手がいなかったりしたものは、後日知り合いの大工さんに持っていって再生してもらうようにしている。
ウェブの相談室でこんなのを見つけた。面倒くさがらずに新しく書き直したほうがよいだろうか。
「いい加減さに後になって憤りを感じましたが、塔婆はきちんと書いたものに変えてもらったほうが本当の良い供養になるのでしょうか。」

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