ダイビングスクールの教師である主人公と、不良生徒としてやってきた女子高生が事故で紀元前のインドにタイムスリップしてしまう。そこにはブッダを名乗るオカマ坊主がいた。話を聞いているうちに彼こそが本物のブッダであることがわかる。「あんた、アタシの弟子にならない?」現代に帰るには仏教を史実どおり世界宗教にしなくてはならない。実に頼りないブッダを支えながら十大弟子を集め、中国の老子とギリシャのソクラテスを弟子にすることはできるのだろうか。
主人公が「ダイバーだった」と言ったことから「ダイバダッタ」と呼ばれるようになったり、釈迦の妃ヤショーダラ姫を銀座のママに喩えたり、コロッセウムでソクラテスチームによるB’zとブッダチームによるSMAPの替え歌合戦が始まったりするなど、荒唐無稽なお話だが笑えるだけではない。シャーリプトラとソクラテスの議論はものすごい迫力で内容も唸らせられた。原始仏教の謎解きにもなっており、一風代わった仏教ガイドになっているとも言えるだろう。