自分のことは棚に上げて人の粗ばかり探してしまう人間の弱さを奇想天外なストーリーで描き出す。
オチは無理やりな感じもしないではないが、筋書きのインパクトで一度読み始めたらやめられない。
UFO=たぬき説に一生を捧げる『超たぬき理論』と、郊外のさえない住宅地で起こった殺人事件がとんでもない方向に発展する『しかばね台分譲住宅』が特に可笑しかった。「アルジャーノンに花束を」のパロディである『あるジーサンに線香を』は考えさせられるところも多い。
ミステリー作家東野圭吾によるコメディ作品、ほかにも読んでみようと思う。