日本はお先真っ暗だという論調があるが、そんなことはない。アニメ・ファッション・音楽の日本文化、元気な高齢者、再生する地方、途上国への援助実績など、世界に誇るべきことはたくさんある。自信をもて日本人!という本。
政治家って、誰にも反対できないような理念ばかり並べて具体策となると方々に配慮してお茶を濁すという印象があるが、空回りの応援演説とは違い、どのトピックも具体的で説得力があった。
総裁選のとき、秋葉原で「自称『秋葉原オタク』の皆さん!」と呼びかけた麻生氏である。マンガに詳しい。牧美也子の『源氏物語絵巻』、横山光輝の『三国志』、『ゴルゴ13』、『沈黙の艦隊』、『加治隆介の議』、『キャプテン翼』……ぽんぽんと出てくるタイトルに「うわぁ、こんなのまで読んでるの、大臣」と驚く。日本がロボット大国になった理由として『鉄腕アトム』と『ドラえもん』があったのではないかという意見は面白い。
弱者・貧者救済は当然政府の役目ということを何度も協調しつつ、
・高齢者が労働力になり、消費者になることで少子高齢化社会をポジティブに
・ニートは多様な生き方のひとつとして肯定
・教育の悪平等を解消するため中学校を義務教育でなくしてカリキュラムを多様にする
・靖国問題は国家の責任と遺族の感情を考えると一宗教法人ではなく国営化が望ましい
……賛否はともかくとして、発想豊かで大胆な発言で日本の見方がずいぶん変わった。
この人、総理大臣になりそうだな。