とかく難解になりがちな論理学を、(縦書きで)論理記号を一切使わず、ざっくばらんな口調と笑える実例で分かりやすく説いた本。
私のアンパンを食べた者がいる。
私のアンパンを食べた者には天罰が下る。
だから、天罰が下る者がいる。
……命題の実例はつい格好をつけてしまうものだが、これくらい力の抜けたものなら余計な敷居の高さを感じさせないだろう。
もっとも、論理学は日常の論理を純粋に結晶化して理論したいわば哲学だから、実用的でないことは否定しがたい。パズルが好きな人向け。
基礎的な知識を身につけるだけでなく、排中律を認めない立場や「ならば」の意味がすでに演繹的推論を前提としていること、命題論理から述語論理への橋渡しなど、背景にある考究も面白かった。