世の中にはびこる詭弁をひとつひとつネタにしていく本だというのは思い込みだった。
道徳哲学者による、ウンコ議論(イギリス英語の卑語Bullshitの訳)とは何かという定義の探究であり、実例はほとんどない。真実に無関心でその場しのぎな発言のこと。真実が見えにくい世の中だとはいえ、適当なことを言って済ましてはいまいか。
「爆笑必至の解説」と帯に書かれているが、とても笑えるものではない。これぞウンコ説明。笑えはしないが、真実が見えにくい現代、代わって誠実さが大事だというのも所詮はウンコ議論だというあたり、哲学的に含蓄がある。