人は誰でも誰かを教育したい欲求があるのに、自由を侵すな・強制はいけないという風潮のもと、極度に抑えられてしまっている。しかし行きすぎがいけないのであって、教育自体を否定してはいけない。教育欲を効果的に発揮して、発展性のある社会、豊かな人生を作ろうという話。
孔子を例に出した「師匠と弟子はもちつもたれつ」の章に興味があって読んだ。インドにもguru-shishya-paramparA(弟子と師匠の伝統―弟子がいつしか師匠になり、その連続が伝統を受け継いでいく)という言葉がある。インドは暗記中心の頑なな教育だが、ここでは、弟子のツボを心得た師匠の柔軟な教育の話である。対機説法の釈尊を連想させる。
オタクには教育欲が欠けているという。「自分の好きなことを他人にわかってもらおうとしない姿勢」「自分の世界だけに自閉して、それ以外のことに興味がない」私の趣味であるボードゲームについて当てはまりそうだ。
ごくごく当たり前のことを書いた本なのでインパクトはない。子どもの教育の難しさを感じている人などに(私はまだこれからですが)。