プネーに住む日本人学生6名がFさん宅に集まって飲み会。Fさん宅は椅子やソファーがふんだんにある豪華マンションで、ここで飲むのはすでに3回目となる。前回の12月は19時から翌朝の10時まで15時間飲み続けてFさんにご迷惑をおかけしたので、少し早めの15時集合とした。
15:00 インドでは約束した時間に、その場所にいることはまずない。私もバスの関係で15:00出発。でもFさん宅はそれほど離れておらず、15:15に到着した。この時点でまだ誰も来ておらず、まもなくK氏から「今MGロードにいるけど、何か買ってく?」という電話が入った。K氏とN氏が16:00頃、Aさんが17:00頃、I氏が17:30頃到着。ひとまずK氏が買ってきたプネーで一番美味しいというタンドーリチキンを食べながら、ビールを空ける。K氏はまもなく奥さんの出産で帰国するという。その後の予定などから、就職や生計の話になる。「学道の人は先づ須く貧なるべし(道元)。」
19:00 日も暮れかかってきたところで、I氏が企画したスイカわり大会がスタート。屋上に新聞紙を敷き、スイカをセッティング。15メートルほど離れたところで目隠しをしてぐるぐる回り、みんなの掛け声に合わせてスイカに近づいていく。チャンスは1人3回まで。3回で割れなかったらバツゲームとして「皆から種をぶっかけられる(I氏)。」すでにみんな酔っ払っていたが、1人目のAさんは成功。2人目のI氏は失敗し、3人目のN氏が一発で割った。用意していたスイカは2個なのでこれで終了。I氏のバツゲームは、誰も種を飛ばしたい人がいなかったので、I氏が志村食いすることでご免となった。途中インド人のおじさんが見に来て「これは何かの祭か?」
21:00 スイカでお腹がいっぱいになっていたが、夕食を出前で頼むことにする。かねてより計画していたカリヤニナガルの中華料理屋Shu’s Jadeでエビやイカ、野菜ワンタンなどを頼む。N氏はチベット人が作った菜食主義推進ビデオ・動物の屠殺風景を見てから菜食主義になっているという。その傍らで、トリの首を切って皮をはいでいるところを一部始終カメラに収めたとか、泳いでいる魚を見てうまそうと言ったとか、残酷話をしながら中華料理に舌鼓を打つ残りの人たち。
24:00 N氏とK氏が帰宅。残った4人でカードゲーム「ごきぶりポーカー」を始める。私は3回目だが、だんだんコツが分かってきた。人は嘘をつくとき、その裏に必ず意図がある。誰に何をさせたいのかが読めてくると、ウソとホントを見分ける確率が上がる(その裏をかかれることもある)。特に、カードを3枚集めてリーチになると、その人を何とかして落とそうという意図が残りの人にはたらくため、誰が誰に対して何の動物をコールしたかによって、冷静になればウソかホントかを論理的に考えられるようになる。AさんとFさんが早々とリーチになったが、I氏がせめあぐねてリーチ。私も余裕をかましていたらリーチになってしまった。I氏の最後の1枚「サソリ」が、私にとってもFさんにとっても負けになるカードで、緊迫した展開になったが、一か八かでFさんを騙すことができた。バツゲームは暴露話。でもFさんはそれまで十分暴露してしまっていた。
27:00 平井堅のCDを聴きながら、I氏がどんどん面白くなってきて、詩人の会で読んで顰蹙を買ったポエム「おなもみ」やホモ話を披露する。Fさんは私が村で地味な生活を送っている間、自分の周りで起こった人間模様の話。そんな話を喜んで聞くゴシップ大魔王になる。
29:00 I氏が二日酔いの頭痛を訴え、薬を飲んで就寝。Aさんも同じく薬を飲んだ。私もかなり頭が痛い。N氏が買ってきてくれた1200ルピーのウィスキー「ブラック&ホワイト」が美味すぎたためである。残された私はFさんからインド美術研究界の全てを訊く。インド哲学の研究者も少ないと思っていたが、それよりも更に少なく、常に就職難にさらされていることが分かった。たいへんだ。
32:00 I氏はソファーで熟睡。Aさんも椅子にもたれかかって半眠状態である。Fさんがおにぎりと味噌汁を作ってくれた。ようやく二日酔いがさめると、お腹が急激に空いてきて、むちゃくちゃ美味しい。
34:00 ようやくI氏が起きる。FさんとAさんが食器の片付けをする間、私は手伝いもせずうろうろ。やっときりがよくなったところでお暇した。飲んでいたのは11時間ほどだが、合計で19時間もお邪魔していたことになる。こんな飲み会は学生のときですらやったことがないが、終始くつろげてとても楽しかった。Fさんに深謝。