朝の便でプネーからデリーに飛んだ私は、映画館で話題作「ヴィール・ザーラー」を見て時間をつぶした後、リキシャーでインディラ・ガンジー国際空港に向かった。3ヶ月ぶりとなる家族との再会に胸が躍る。プネーから買ってきた象のぬいぐるみをもって、プラカードをもったタクシーの運転手たちと出口で待つ。とことことこ…と早足で歩く娘(2才半)とその手を握っている妻の姿はすぐに見つかった。空港での再会というのは、何とドラマチックなことだろう。
手配していた車に乗り込んで行きつけのホテル「アショーク・カントリー・リゾート」に向かう。娘は象のぬいぐるみを気に入ったようでだっこしていた。このホテルは日本航空が国内線と国際線の乗り継ぎの悪いときに手配するもので私はかれこれ7、8回泊まっている。何人かいる運転手も顔なじみになっていて、「今日はあんたか」というほどだ。中級クラスのホテルだが、広さは十分あるので妻は満足したようだった。
娘はというと、照れがあるのかしゃべらない。だが私がトイレに行っている間に妻とぺらぺらしゃべっている声が聞こえてきた。私と普通にしゃべるようになったのは2日後である。