12月7日から21日まで、妻・娘と3人でインドを旅行した。
インドを家族旅行するのは我がことながらかなり奇特だと思う。ひとつには汚さ。至るところにゴミが散乱しているし、排気ガスは臭いし、お菓子屋の店先にはハエがたかっている。日本人の衛生観念からはかけ離れたこれらの光景は、きれい好きの女性などには全く耐えられまい。プネーの日本人駐在員で、一緒に来た奥さんがあまりの汚さに驚いて、来て3日で帰国してしまったという話がある。
この点、大学時代バングラデッシュでボランティア活動をしていた妻はあまり気に介さないどころか、「生きている実感がわく」という。妻が2週間も仕事の休みをとってインドまで来ることにしたのは、夫に勧められただけではない。
もっともヴァラナシなどではカップルや夫婦をよく見かけるので、汚いもの好きな日本人は意外といるのかもしれない。しかし家族旅行をする上でもうひとつの問題がある。それは子どもに全くやさしくないことだ。何もかも辛い料理、遊び場のなさ、病気……。乳幼児死亡率4〜5%、世界有数の高さを誇るインドの過酷な環境は娘にも試練となった。彼女がこの旅行を楽しめたのかどうか、甚だ心もとない。物心がつく前でよかったと思っているほどだ。そのわけはおいおい書いていこう。