タヒルさん、ジミーさん、叔母さんの子どもたちと車で遠出。シュリナガルから西に50キロ離れたスキー場、グルマルグは、夏もピクニックで賑わっている。シュリナガルでも十分に涼しいが、ここは寒いという域だ。借りたジャケットを着ても震えるほど。
一番奥に何とケーブルカーがあった。インドでこうした大掛かりな乗り物にお目にかかるのは初めて。4人乗りでさらに高いところに行くことができる。上はもっともっと寒いという。のんびりしているうちに開業時間が終わってしまったが、また来たら乗ってみたい。仕方がないので代わりに馬に乗ることにする。
馬は近くの村から連れてきたもので、1時間250円ぐらいで乗せてもらえる。私の乗った馬はポックリ、ポク、ポックリ…何だか足取りが覚束なく、時々進路をそれて道端の草の方に向かって行く。付き人いわく「腹が減っているようだ。」足取りは遅くなりがちで、その度に付き人に叩かれていた。
乗馬は思いのほか難しい。揺れが大きいのでバランスを取らないと落ちそうになる。前後左右に姿勢を変えながら乗っているのは上半身の筋肉を使う。さらに時間がたつとお尻が痛くなってきた。だが地面が泥地でも坂道でも、疲れないし足が汚れる心配もない。長距離を乗りたいとは思わないが、そのよさは分かった。
乗馬を満喫しているうちに夕方になったので帰途に。帰り道タンマルグを通りかかると公園に人が集まっている。200人はいただろうか、近くの学校からピクニックで来ている一行が、テープで音楽を流して次々と踊っていた。あまりに愉快な踊りだったのですっかり見入る。電池がなくなって音楽が切れると、みんな帰り支度を始めたが、私があまりに喜んでいるのでタヒルさんがアンコールをリクエスト。音楽はタヒルさんのカーステレオから流した。タヒルさんいわく、私がここ2,3日で一番楽しそうだったという。
帰りの車では映画『カルホー・ナホー』の主題歌をみんなで歌いながら、楽しく帰った。インドのピクニックでは歌を延々と歌うという話を聞くが、今日の車内はまさにそうなっていて、タヒルさんが「さあ一緒に!」「もっと大きい声で歌うと楽しいな」などと促すので、しまいには陽気に歌ってしまっていた。
今日の観光スポット
グルマルグ
スキー場の部分は広大な芝生になっていて、目に優しい。乗馬、ゴルフ、散策などを楽しむことができる。ゴルフは誰でも遊べる手軽なもので、家族で遊ぶ姿が見られた。真っ直ぐに伸びた高い松の木と、頂上に雪が残る山々、夏は夏で別世界に来ているようだった。