インドに着いて10日が経った。部屋は4500ルピーで借りることができたが、敷金約5か月分と、不動産屋の手数料で結構な出費。携帯は一番安いもの(プネー限定、メールなし)を2900ルピーで入手。電圧安定器1200ルピー。シーツや布団、鍋や食器、バケツや洗剤、サンダルやスリッパなどの家財道具で合計2000ルピーくらい。Tシャツとズボンは高級店で購入し1300ルピー。インターネット加入で900ルピー。入学金250ドル。その他交通費など含めてこれまで15万円分くらい使った。電化製品以外の物価は安い。日本の5〜10分の1といったところか。日本への電話は5分くらいで300円くらい。国際電話をかけられる公衆電話はいたるところにある。
仏教では「法」と訳されるdharm(a)(ダルマ)は、「宗教」という意味でもあるがこちらでは「日々なすべき仕事」という意味でも使われている。「ありがとう」と言うと、「これが私のdharmだから」と返されることがしばしばあった。この背景には『バガヴァッドギーター』に説かれるようなカルマシッダーンタ(因果応報の法則)が強く信じられているらしい。
もちろん、日々になすべき仕事は対価としてのお金などをもたらす。しかし、見返りを求めなければ、さらに大きな果報がやってくるという。ホームステイしていた家族の父親は、「何でもお見通しの神様がコンピューターを持っていて、それぞれの行いを入力している」なんていうことを話していた。何件か家を訪れたが、必ずといっていいほどガネーシャ(象の神様)やグル(尊者)が掲げられており、信仰の強さを感じた。食後のごちそうさまは「annandatta
sukhii bhavo(食べ物を授けてくれた神様に栄えあれ)」という。
新居は高級住宅街と言われるところにあり、近くにはSonyのショールームがあった。プレステやハンディカムを見ていると、妙に心が落ち着く。青果市場、レストラン、銀行、サイバーカフェ、電気屋、雑貨屋など一通り揃っている。しかしアパートの隣にはあばら屋があり、そこからしょっちゅう赤ん坊の泣き声が聞こえてくる。その度に日本にいる娘を思い出して胸が詰まっている。
言葉はマラーティー語、数以外わかるのは、「要らない」「十分」「真っ直ぐ」「右」「左」ぐらいのもの。英語が通じない場合はヒンディーをカタコトで喋って用を足している。アパートではゴミ集め、部屋掃除や洗濯の係を雇っており、彼(女)らはヒンディー語も危うい。今日も新聞紙集めに来た人を掃除人だと思ってしまって苦労した。
昨日は下の階の親父が10才の息子を毎日夕方から朝まで預かってくれなんてもちかけてきた。家が狭くて勉強をしたり寝たりするところがないのだとか。確かに部屋が広すぎて持て余してはいるが、そういうのはちょっとなあ。
外国人登録、入学手続きはそれぞれ3日くらいかかってしまったが無事終了。明日からは晴れて大学に行くことができる。