今日は文殊堂のお祭り.35度の灼熱の中,下着・半天・下衣・大衣・袈裟の5枚重ねで,ろうそくの前でお焼香をしながら,太鼓を叩いて祈祷するともうすっかりトランス状態.心頭滅却すればの境地である.
文殊菩薩は獅子の上に座った像だが,これを獅子舞いに結びつけた先人のアイデアは見事だと思う.ご祈祷のあと,獅子舞いが始まり,地区内を3時間以上かけて練り歩く.35度の中いちばん大変なのはお獅子様の中に入っている人たちだろう.本当にトランス状態になれるかもしれない.
お獅子様は警護の導きにしたがって口を開き,勢いをつけて閉じる.子供たちが恐がるこの威勢のいい音は,悪霊退散によく効くような気がする.空気を清浄にするのは強い音波を特徴とするこのような音だと信じられてきたのだろう.感覚的にそれがよくわかった.
ハレとケという言葉で表されるように,老若男女(特に若者)が非日常的に暴れることで,日頃の鬱憤を晴らし,再び秩序ある平和な日常を送る契機とするのだ.力強く太鼓を叩く若者.
だからこそ,子供と若者がいないとこういったお祭りは成り立たなくなってしまう.少子化や過疎化の未来が少々心配になった.