今日は赤地蔵堂の御本尊を初めて見た.文化4(1807)年にこのお堂が作られ,以降いくたびか改修をしているようだが,今生きている人でご本尊を見たことがある人はいないらしかった.なぜなら,5重に囲まれているからだ.
まず,お堂の入り口.鍵を開けて入る.
次に正面の扉.留め金を外して開ける.
次に大きな社.屋根を外さないと中の厨子が取り出せないようになっている.
次にその厨子.扉は実はダミーで開かず,やはり上の屋根を外さないと中をみることができない.
そして厨子の中にまた箱.箱を取り出してふたを開ける.ふたには釘が打ってあり,釘を外してやっと開いた.
この5重のガードをかいくぐって見たものは,木造の20センチくらいの黒いお地蔵様であった.相当古い感じだ.
お地蔵様の側に恵比寿と小さい箱が2つ.1つはミニ地蔵で,もう1つにはなぜか大黒天が入っている.箱にある文字から20センチの方が延命地蔵,ミニが子易地蔵らしい.この箱に地蔵真言が書いてあり,その筆跡から私の祖父(故人)のものと判断された.ということは,この前に開帳してからせいぜい30年ぐらいしか経っていないことになる.
写真を撮って元通りにしまう.出すのもしまうのも一苦労で,数十年に1度しか開帳しない訳がわかった.
ご本尊は古さから彫刻がぼやけてしまっていたが,200年もの間,この村の人たちが手を合わせてきただけの貫禄がある.胸がじんとなった.