『死は成仏か』

如来蔵思想研究の第一人者による仏教死生学。
死を乗り越えたとされる釈尊や仏弟子の(生物学的な)死、そして輪廻の世界に生きる菩薩の死。そしてなかなか救われない衆生の死を、分かりやすく説く。
仏教の立場から言えば、死すなわち成仏ではない。信仰なり修行があって、私たちの中に眠る仏性(成仏する資格のようなもの)が育てられ、いつの日か成仏するのである。
ただ日本には死すなわち成仏という考え方も広く行き渡っており、民俗学的観点から考える必要もあるだろう。
というわけで表題について答えを見つけるのは難しいが、四聖諦、八正道、十二因縁といったとかく難解になりがちな仏教の根本教説について分かりやすく説かれており、仏教入門としておすすめである。

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