天国〜?

3児事故死、冥福祈る地蔵開眼
『渕英徳住職は「永遠の命となった3人が天国にいます。お地蔵さんになった3人に早く飲酒運転がなくなるように見守ってほしい」と話していた』とあるが……
仏教で天国(天上界)は幸せなところではない。確かにしばらくの間はいいところだが、天人の五衰といって頭の花がしぼみ、服が汚れ、脇から汗が出、目が潤み、住まいに飽きるという兆候が出ると終わりのしるし。仲間たちから無視されるようになり、地獄以上の苦しみを味わわなければならないとされる。
そこで仏教はそのさらに上にある極楽(解脱)を成仏といって勧めるわけだ。
お葬式の弔辞で「天国で〜」というくだりはよく聞くが、そんなところに目くじらを立てても仕方ないと聞き流している。しかし住職が自ら語るとは一体……。しかもこの名前、どこかで聞いたことがあると思ったら曹洞宗の宗務総長では?
1.そんなことは分かりきっているけれど、遺族の安心のために敢えてなじみやすい「天国」を使った。これは方便である。
2.宗門の教えでは解脱は現世の修行の中にこそあるのだから、天国と極楽の別とか、どうだっていい。亡くなった人のことより、今の自分を一瞬一瞬大事に生きよ。
3.天国なんて一言も言ってないんだけど、記者さんが脳内変換して書いちゃった。
4.そういうことは勉強したことがないので分からない。ダメなんですか?
お亡くなりになった子どもさんたちのご冥福をお祈りするとともに、ぜひ生まれ変わって、全うできなかった命を生きてほしいと思う。天国でなど、無為な時間をすごさないで。

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