ちょっといい話(15)アサーション(5)こわれたレコード作戦

(長井法人会ワンポイント情報 令和8年1月号に掲載)

自分の主張がなかなか受け入れてもらえないとき、同じ言葉を繰り返すやり方を「こわれたレコード作戦」という。今はレコードを聴くことなどほとんどないが、レコードが壊れると針が同じところに戻って延々と繰り返すことから名づけられた。

筆者は子どもに対してよく使ってきた。「ごはんですよー」「……」「ごはんですよー」「……」「ごはんですよー」「はーい」。多少ボリュームを上げるぐらいで、全く同じ調子で言うことを心掛ける。イライラや不機嫌の気持ちを言葉に込めず、それこそ機械になったつもりで話す。

返事がないのは、聞こえているのにわざと無視しているからではなく、音楽を聴いているのかもしれないし、何かに集中していて聞こえていないのかもしれない。よくちょっとでも意に沿わないことがあると、「わざとやっているのか」とか「嫌がらせしているのか」とか怒り出す人がいるが、そのような態度はかえって相手を遠ざけてしまう。悪く取らないことにしよう。

「こわれたレコード作戦」は何かを断るときに役立つ。繰り返しているうちに意固地になったり、怒りや皮肉のトーンになったりしないこと、そして言い訳を増やさないことを心掛けるとよい。

「今度の役員をお願いできないでしょうか」「大変光栄なんですが、今回は辞退させてください」「そこを何とか」「ありがたいんですが、慎重に考えて、今回は辞退させて頂きたいと思います」「理由を聞いてもいいですか」「個人的な事情もあって、現状では役員としての責務を十分に果たせないと考えています」「調整すれば何とかなるのでは?」「ご配慮は大変ありがたいのですが、現時点ではその判断に変わりはありません」

大人に対して使うときは、有無を言わせない感じになりやすい。しつこいセールスだったらそれでもいいが、コミュニケーションを拒否していると思われないよう、クッション言葉(「申し訳ありませんが」「恐れ入りますが」「あいにくですが」)を付けたり、同じ内容でも少し表現を変えたりするとよいだろう。

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