著・ジョン・T・カシオポ、ウィリアム・パトリック/河出文庫
孤独感が引き起こす健康への悪影響を、さまざまな実験を通して明らかにする論考。大乗仏教からボードゲームまで、自分が大切にしているものを再評価するきっかけとなった。
- 孤独感があると眠りに落ちるまで時間がかかり、日中の疲労感も大きい
- 「模倣はもっとも誠意あるお世辞なり」カウンセラーが患者の姿勢を模倣すると、その患者からより高い評価が得られる
- 食べることはオキシトシンの放出を促す。仲の良い友人と美味しい食事をするのはストレスを解消する上で最高の組み合わせ
- 孤独感はネガティブで恐れに満ちた認知を生み、自然で社会的なつながりを形成するアインフュールング(感情移入)を妨げる
- 感情移入に必要なのは、感情表現の共有、自他は別であるという意識、人に身になって考える柔軟性、情動的自己調節能力
- 社会的つながりの中で満足を得るには盲目的で無分別な利他主義ではなく、環境からのシグナルを的確に読み取る認知能力。時にはタダ乗りする人への懲罰も必要
- 「高収入→幸福感→社会的つながり」ではなく「社会的つながり→幸福感→収入増」という順番。年を取るほど社会的つながりを重視するため、(収入はともかく)幸せを感じやすくなる
- 宗教心の強い人が健康で長生きするのは、信仰心の深さではなく教会などで仲間と一緒にいることの気持ちよさによる
ボードゲーム、バレーボール、合唱、ご詠歌、お檀家さん、同級生、先輩後輩など、家族以外にもたくさんの社会的つながりによって幸せでいられることに感謝し、孤独に寄り添える人になりたい。
