梅花流発祥の地である静岡・洞慶院様にて行われた講習会に、昨年、能登参拝に参加したご縁で参加してきた。他の講師がゴージャスすぎて、参加者のつもりで申し込んだのに講師を任されたのには肩のすくむ思い。
安田光彰先生のお話は、創始者たちの熱意を受け継ぎ伝えることは大切だが、誰にでもできるはずのご詠歌を難しくしていないか?という問いかけ。音の強弱から曲想の味わい、曲想の味わいから信仰の世界へ。そんな道筋に沿って、講員さんたちと声高らかにお唱えした(肺炎が治ってよかった)。
佐藤俊晃先生は2コマで、良寛さんのお話と、お誓いと「まごころに生きる」のお話。法華経如来寿量品の「常懐悲感、心遂醒悟」(父親が死んだと聞いて悲しみのあまり正気に戻る)をもとに、大切な人、大切なものをなくした人が前に進むための歌であるという。
戦後の正法日本建設運動の「明るい日本」がお誓いの「明るい世の中」になったが、御仏の慈悲は普く衆生に注がれており、日本に限っても、仏教に限ってもいけないだろうと思う。格差分断社会で、僧侶は弱者サイドにいなければいけないということを、良寛さんの生き方は示している。
梅花の灯は全国的に下火でオワコン扱いされている中、情熱を絶やさない方々とお会いするのは大変な励みになる。洞慶院ご出身の丹羽廉芳禅師は東大印哲の大大先輩で、洞慶院に招かれて丹羽禅師たちレジェンドに密巌流を伝えた神尾(旧姓長岡)昭臣師は地元長井の摂取院前住職ということもあって、思い入れ深く、有意義なものとなった。