2月26日夜、インド映画のオスカー賞、フィルムウェア・アワードが発表された。今年は第50回という節目を迎える年である。
- 最優秀男優賞…シャー・ルク・カーン(『スワデース』)
- 最優秀女優賞…ラーニ・ムカルジー(『ハムトゥム』)
- 最優秀助演男優賞…アビシェーク・バッチャン(『ユワ』)
- 最優秀助演女優賞…ラーニ・ムカルジー(『ユワ』)
- 最優秀喜劇俳優賞…サイフ・アリ・カーン(『ハムトゥム』)
- 最優秀悪役俳優賞…プリヤンカ・チョプラ(『アイトラーズ』)
- 最優秀監督賞…クナル・コーリ(『ハムトゥム』)
- 最優秀映画賞…『ヴィール・ザーラー』
巨匠ヤシュ・チョプラが大枚を投じて撮影した『ヴィール・ザーラー』がベストフィルムに選ばれたが、上記から見る限り事実上『ハムトゥム』が昨年一番の映画だったということではないだろうか。『ヴィール・ザーラー』は確かにいい映画だが、パキスタンを舞台にしていること、筋書きがあまりにストレートなこと、展開に無理があること、長いことなどの欠点も挙げられる。『ハムトゥム』はその点、先が読めない楽しさがあった。ずっと満席で4回目に行ってやっと見ることができたのを思い出す。一方の『ヴィール・ザーラー』は、1ヶ月ほどでもうがらがらだった。
2つの助演賞が出た『ユワ』は、3カップルの物語が同時進行して主演が誰だか分からない映画だ。その点で、ほとんど主演だったとも言えるアビシェークらが受賞するのはちょっとずるい気がする。
シャー・ルク・カーンは大本命だろう。ただ『スワデース』で取るべきだったのかはやや疑問だ。演技の幅という点ではコミカルとシリアスを同時に進めた『メーン・フーンナ』の方がよかったのではないだろうか。