火葬場で、お焼香をして棺の窓から最後のお別れをするのだが、お焼香をした後に棺の枕元から回るか、足元から回るかという問題が(実は)ある。
私は仏教の伝統的な回り方「右繞」という考え方で、向かって左(地元の火葬場では枕元)から回って右から帰るようお願いしていたが、「故人に失礼にならないように」という理由で、足元から回るよう指示しているお寺さんもあり、火葬場の職員さんが住職を見て枕元か足元か案内を変えていることに気付いた。裏マニュアルか、要注意お坊さんリストがあるみたいだ。
伺ってみると、足元から回るケースが8割ぐらいとのこと。「そこまで神経質にならなくても、私はどちらでもいいですよ」と伝えたら、次回から足元になった。単に裏マニュアルを書き換えただけだったのでは……。
火葬場によっては向かって左側が足元になる場合もあってややこしいが、職員さんの無用な仕事を増やさないよう、また遺族の前で恥をかかせたりしないよう、指示に口を挟まず、お経(無常御和讃)を読むことにしている。市の仏教会で一度取り上げてもらいたいテーマ。