「お客様は仏様です」
ドラマを見たのがもとでコミック『死役所』(作・あずみきし)を全巻読んだ。死んだ人はそのままの姿でここにやってきて、自殺課、他殺課、生活事故死課などで49日以内に手続きして「成仏申請書」を提出し、「成仏の扉」から旅立っていくというお話。
「今日はどのようにして亡くなられましたか」から始まる回想シーンは、最後に死ぬとわかっていて見るのがつらいものがあるが、自分や身の回りで先に亡くなった方々について、いろいろと考えさせられる。
怒り、悲しみ、悔しさ、感謝など、死役所の職員に向かって語られる死者の言葉は、生者の世界には決して届かない。早逝など可哀想な死に方も、実は幸せだったのかもとか、その逆とか。ひとりひとり生き方が違うように、死に方も多様だ。一面的な見方で幸不幸を決めつけず、遺された人で時間をかけて追体験していくことが、亡くなった人に対する敬意なのかなと思う。
無料で何話か読めるので、興味ある方はぜひ。