山形大学の男女共同参画セミナーをオンライン受講。講師は東北大学副学長の大隅典子先生で、理系の女性研究者を増やすにはどうしたらよいかという話だった。
なるほどと思ったのが、教育学部は文系であることと、教員の女性比率は小学校が高いことの関連。文系は女性が多いため、教育学部を出て小学校の先生になる女性も多くなる。しかし、小学校でも理系科目はあり、特に理科は文系出身にとって弱点となる。
文系出身でも理系科目を教えなければならないというのは男女を問わないわけだが、女性の先生の場合、理科だけ教頭や教務などの男性の先生に任せるというケースをよく見る。あれはいったいなぜだろうか(中学理科の教員免許をもっている人が任されやすく、それは男性の先生が多いから?)。体育だったら体力の問題で一応納得できなくもないが、不思議である。
理科を教えない女性の先生を見て育った女の子たちは、理系に進むという発想が湧きにくく、多くが文系に進学し、やがて理科を教えない先生になっていく。こうして理系と縁のない女子が再生産されているのではないだろうか。リケジョが少ないのは、「女性の理科の先生」というロールモデルがないことが大きな要因だ。「理科は男性」というアンコンシャスバイアスが定着してしまわないよう、女性の先生も積極的に理科を教えられるようになってほしい。
追記:後日、小学校の先生に尋ねたところ、理科の実験は準備と片づけがあるため、時間の融通がきく教頭か教務の先生が担当することが多くなるそう。女性の教頭・教務を増やすことが先決というわけである。