「ダイバーシティ防災」というテーマで開かれた県の防災フォーラムを聴講。女性の防災士・自主防災アドバイザーの講演の後、防災や男女共同参画に携わる女性のトークセッションでした。普段から年齢・性別・国籍・働き方・経歴などの多様性を意識した地域組織づくりをしておくことで、地域防災力をアップしようというお話だったが、聞きに来ていた方のほとんどは果たして、(私も含め)中年~年配の男性ばかり。それじゃダメじゃん。
そんな参加者への配慮からか、テーマはあまり絞り込まれなかったが、その中で県の男女共同参画課のお話が的を射ていたと思う。
- 災害が大きいほど女性の死亡率が高い(高齢者に女性が多いから?)
- 災害時には性別分業が強化されがち(物資の采配/炊き出しや掃除)
- 災害後には性被害・性暴力・DVが増加する
ところが、
- 防災や復興の政策方針を決める過程に女性が参画していない
- 災害対応において男女のニーズの違い(女性用品・乳幼児用品)に配慮がない
- 災害が起きてから急に男女共同参画の視点で対応しようとしてもできない
いくら山形が災害の少ないところだといっても、これは放っておけない問題である。
ダイバーシティでは、てんでばらばらな考え方が出てくるので、それをどこまで認め、どうやって合意形成するかが難しい。参加者5人・1時間のトークセッションで、自己紹介は1人10分と言われたのに、25分もしゃべってしまう人がいたのは、この問題を考えるのに格好の事例だった。結果として予定終了時刻を大幅にオーバーしてしまったが、どこまでなら許容できたか。司会は話途中でも時間が来たらぴしゃっと遮るべきだったのか。
災害時には多かれ少なかれ自由が制限され、ダイバーシティ対応も自ずと限度がある。その仕分けはどう決めても、誰かに不満が残るものとなるだろう。「日頃から責任を分かち合う」というのは言うほど簡単なことではなく、悩ましいものだ。