ジェンダー平等をテーマにした尼僧さんの対談を拝聴。もしかしてタブーなのかなと思っていたので、企画した関係者に敬意を表する。
宗門において尼僧が重要な役職についていないことについて、青山老師は「男女を論ずることなかれ」と仰るが、それで終わらせてしまってはいけないのではないか。女性への門戸が開かないまま尼僧さんが減る中で、青山老師のような器量をもつ尼僧さんを今後どのようにして育てていくか、宗門を代表する尼僧さんが問題提起させてもらえなかったとすればなかなか残念な話。
アメリカのように道元禅師や瑩山禅師に憧れる在家の女性は日本にもいるはず。そういう方がもっと学びたいと思えば尼僧になることができ、しかるべき尼僧のもとで参学できるかどうか。そんな問題提起を、尼僧だけでなく男僧からもどんどんしていくべきだと思う。
ただ「神様が女性に赤ちゃんを生むという使命を与えていただいているということは、子供はね、もう母親がしっかりしていれば大丈夫なんです。3歳から5歳までの基本を作るのはせめて3歳から5歳まで、その間に母がどんな姿勢かが一生を左右する。だからね、女性がしっかりしていれば明日の人類、地球は大丈夫だと私は思っている」という発言は(世代もあるだろうけれど)今はちょっと頂けない。子を産み育てることだけが女性の価値ではないし、母親も父親もしっかりしてこそのジェンダー平等だと思う。