御征忌の焼香師

横浜の大本山總持寺にて、3年ぶりとなる御征忌の焼香師をお務め。

いつも通り詠讃師寮に初日から入り、途中から焼香師寮にお引越し。湯茶式では同じく翌日の焼香師を務められる前監院さんと同席するという幸運に恵まれ、久しぶりにお話することができた。

禅師様や監院老師に拝問して湯茶接待を頂き、進退ならしをしてから、団参でいらした檀家さんたちが待つ横浜港へ。雨でタクシーがつかまらず、接客寮の方が機転をきかせて車を出して下さった。食事が終わってタクシーで本山に戻ると、開枕後で正面入口がもう施錠。工事中で迷っていたところに直歳寮の軽トラが通りかかり、裏口まで案内して頂いた。こそこそと焼香師寮のお風呂を頂く。

当日は副貫首老師に拝問して朝食をとり、いよいよ焼香師法要へ。禅師様の席に座らされて蜜湯を頂き、法堂につれていかれた時は、緊張のあまり死刑囚のような気分だったが、控室では山形から来ている和尚さんたちとお話してリラックス。

湯食菓茶を供え、何十人もの和尚さんに囲まれて独り礼拝し、自作の七言絶句を読むなど、焼香師となると初めてのことだらけ。しかしこれまで何度となく随喜している法要なので、差定はいつの間にか頭に入っており、詠讃師仲間の『高嶺』独詠に耳を澄ませながら、何とか無事に勤められたと思う。退堂のとき、ふと自分が先住の後を継がなかったら今ここにはいられなかっただろうと思い、つくづく僧侶になってよかったという実感が湧いてきた。

終わってからは『跳龍』連載でお世話になっている出版部に挨拶に伺い、超豪華な祝膳をご馳走になり、団参の皆さんと一緒に帰山。法要は大変でしたが空き時間が多かったため、〆切が過ぎていた河北新報の原稿を焼香師寮で書き上げ、夜にはバレーボールの練習にも行くことができた。

コロナにも罹らず、前の週のめまいも治ったのが幸い。24歳で住職になってちょうど24年というこの年、一生の思い出になる一日に、本山でお目にかかったたくさんの和尚さんたち、団参で参加してくださった檀家さんたち感謝したい。

 

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