薩羅村婆羅門経

中部経典第41経。お釈迦様がサーラーというバラモンの村で説法をし、バラモンが帰依して在家信者になった話である。

バラモンの最大の関心事は死後、地獄に行くか天界に行くかの違いは何であるかということだった。そこでお釈迦様は十不善業(殺生、偸盗、邪淫、妄語、両舌、悪口、綺語、貪求、瞋恚、邪見)と十善業を説いている。

十善業では、単に十不善業を犯さないだけでなく、積極的にするべきことも書かれている。そしてこれが、大乗仏教で重視される四摂法に通底しているのが見て取ることができた。
①布施:「布施には果報がある、贈り物をもって恭敬することには果報がある」と顛倒することなく見る(正見)
②愛語:温和で、耳に心地よく、愛情がこもり、心に訴え、品位があり、多くの人に喜ばれ好まれるような言葉を話す(不悪口)
③利行:憐愍の心があり、すべての生き物の利益をはかり、哀れみの心を寄せる(不殺生)
④同事:協調を愛し、協調を好み、協調を喜び、協調を促す言葉を語る(不両舌)

十善業を行う者は、死後、望み通りの世界に転生できるという。その中に「三十三天」があり、観音経の三十三化身に関係しているのではないかと思います。

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です


reCaptcha の認証期間が終了しました。ページを再読み込みしてください。