高校の文理選択

長男の高校の文理選択ガイダンス。普通科は文系・理系だが、3年前から新設された探究科は「国際探究科」と「理数探究科」に分かれる。一応大学受験教科に対応したものだが、大学で学ぶようなグループ研究と発表を頻繁に行い、学ぶ意欲を向上させるのが主旨のようだ(実際、難関大学の合格率は探究科発足前とあまり変わらず)。

ただ、理数探究科と比べると国際探究科の影がどうしても薄い。「サイエンス」ばかりが強調されて、「国際」と銘打っているのに外国語は理系と同じく英語しか学べず、法学・経済学・文学・教育学などにつながる人文的な探究的活動も見えてこない。これなら大学予備校風を徹底したほうがまだ文理平等といえる。

インドで、サンスクリット学部の学生がみんなコンピュータプログラミングの教科書を持ち歩いていたり、1000年以上続くパンディット(バラモン学者)の家系だという先生の息子がSEだったり、東大印哲の後輩が宅配バイトをしていたり、政治家が国公立大学に文系学部は不要と言ったりしていたのを思い出す。金にならないもの、社会に貢献できないものは学んでも無駄なのだろうか?

「すぐに役立つものはすぐに役立たなくなる」という。いまどき美術大学がみんな職業芸術家になるわけもなく、大学で学ぶことの多くは、長い時間をかけて人生に役に立ってくるものだと思う。

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