今年度から、山形県のライフデザインセミナー講師となった。ライフデザインセミナーとは、「若者が家族・家庭の意義を理解し、自分を見つめ直して、自らが描く家族観と向き合いながら、10年後、20年後の自らの将来について考える機会を持ち、より良い人生設計ができる」ことを目的として、高校生・専門学校生・大学生を対象として行っているものである(県のウェブサイトより)。家庭教育・婚活支援・男女共同参画に関わっている関係で声がかかったようだ。
県としては少子化対策の一環として行われているが、結婚や子どもを作ることは、誰からも強制されない完全に自由な選択肢(かつ自己責任を伴う選択肢)であることが大前提である。その上で、今どきの結婚・妊活事情を情報提供し、結婚や子どもをもちたいと思ったときの参考にしてもらう。結婚するにも独身を通すにも、子どもをもつにももたないにもそれぞれメリット・デメリットはあるので、そのあたりをできるだけ中立的に伝えるようにしている。
中立的とはいえ、主に男性の家事スキル・ケアスキルの向上と、家庭内の男女共同参画は、結婚するしないに関わらず幸せになるために必要なものとしておすすめしている。「女性が家事の主役」という考え方を抜け出さないと、結婚したいと思う女性が増えないばかりか、若い女性の転出率(女性の転出者に占める若年女性の割合58.1%、日本経済新聞)全国1位という汚名も拭えないだろう。そもそも賃金が上がらない現代、家計も家事もパートナーとシェアすることで生き延びようという戦略は、理想論ではなく現実的な選択肢になりつつあるように思う。
セミナーの様子は県のフェイスブックページで公開されている。