子育てを家族の内外にシェアできない苦しさを、インタビューを通して明らかにしていく。
- 父親の育児に対する親・病院・学校での無理解(「お弁当を作ってくれたママにお手紙を書こう」)
- 「主婦論争」に垣間見える主婦の仕事に対する評価の低さ
- 「夫は仕事、妻は家事育児」が賃金格差を正当化する「劣等均衡」
- 専業主婦の産後うつや育児ノイローゼと夫の「大黒柱プレッシャー」
- パートタイム/フルタイム労働者の賃金水準比率の低さ(欧州水準81.5%に対し日本は60%を切る)
- 離婚しても経済的に自立できない女性の状況
- 専業主婦だった母親の呪縛で毎日掃除機や雑巾がけ
- 手作り料理や品数へのプレッシャー
- 家事育児の独占という専業主婦の生存戦略
- 長すぎると持て余し短すぎると渇望する子どもとの時間
- 働く娘に「子どもが可哀相」と罪悪感を煽りハードルを上げる親
- 「同類婚」による収入格差
問題が根深く、個人の努力ではどうしようもない構造的なものも多く含まれていることが分かる。後半の「変わる社会の兆し」は本当に兆しで、ギグエコノミーもリモートワークも家事代行サービスも一般的な解決方法とは思えまないが、性別役割分担の固定観念の打破、家事育児のシェアや簡素化、ワークライフバランスなど、いろいろな人がいろいろな場面で唱えることによって変わってくることもあるかもしれない。