博論提出

教授の定年退官が迫っていることから提出を促されていた博士論文執筆がようやく終わりました。本文432ページは、修士論文228ページから大幅増。書き始めてから実に13年(10年ぐらい放ったらかしにしていたからですが)、ようやく肩の荷が下りました。

タイトルは「インド古典討論術研究―ウダヤナ『ニヤーヤ・パリシシュタ』における詭弁と敗北の場合」。中世のインド論理学で大きな功績を残したウダヤナ(ca.1050-1100A.D.)の著書について、刊本と写本によるテキスト校訂と日本語翻訳、そして先行する文献との比較を行い、インドにおける討論術の理論の発展を論じました。揚げ足取りや論証自体を破壊するような反論に対する対処の仕方、マジックワードで煙に巻いたり、聞き手の興味を考えないで延々と話し続けたりしがちな現代の議論においても通用する教訓があります。

修論を書いていた20年前と比べるとワードが格段に向上していることを実感。あの頃は途中でフリーズしたり、ファイルが壊れて開けなくなったりで戦々恐々でした。

提出は安田講堂の裏で1週間に1度だけ、しかも午前午後1時間しか開かない博士論文受付。しかもアイテムが揃っていないとまた来週!になってしまうというクエストを無事に完了。後は審査があって、問題がなければ博士号が授与されます。

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