毎年十月に開かれている人権擁護委員の委員研修会。今年度は山形県福祉相談センターの中島貴史氏から「児童虐待通告と対応」という講演を頂き、その後にSOSミニレター(子どもたちが直接投函できる相談の手紙)の事例研修を行いました。児童虐待は大きな人権問題ですが、高齢者虐待と共に人権相談には上がりにくく、人権擁護委員にはなじみが薄い。SOSミニレターを読むとき、子どもが直接関係のない話題をしていてもその裏に虐待がある可能性を念頭におくべきという意見も出ました。
講演によると、平成27年度に山形県内で起こった児童虐待事件は383件。子どもの前でDVを行い、通報を受けた警察が児童相談所に通告して、心理的虐待と認定されることが多いとのこと。たとえ子どもに直接言うのでなくとも、家族に対して声を荒らげていれば、子どもが「怒鳴らない人の言うことを聞かなくなってしまう」といいます。もしかしたら似たようなことを私たちも犯してしまっているかもしれません。家の外でも中でも、穏やかに話すよう心がけたいと思いました。
児童相談所の難しさは、児童保護などの介入と、家庭のサポートを両立しなければいけないところだそうです。サポートについては、人権擁護委員も地域の要保護児童対策協議会や学校評議員会などで協力していくことができるでしょう。