「山形県民シンポジウムin長井~みんなでつくる長井のしあわせ~」というのに、パネラーとして参加した。山形大学がこれからの街づくりを市民とともに考えるイベントで、県内8ヶ所で開催されているという。高校の恩師から声をかけて頂いて参加することになった。
5分ほど与えられた発表で選んだテーマは「コミュニティのダウンサイズ戦略」。これからの人口減少と個人化をにらみ、地域行事や組織を長期的視点で新しい形に見直してみようという提案である。なくすことと、前年通りにやることは簡単だが、変えるとなるとたいへんな労力がかかる。それができるのは、まだ住民がそこそこいる今のうちですよと。
この背景には、地元の公民館や育成会、青年クラブの役員が次々と私にも回ってきて、何日もかけて周到に準備しても、慢性的に人が集まらないという虚しさと、地域のニーズに応えられていないのではないかという疑問がある。ダウンサイズといっても、大変だから縮小しようというのではない。次世代の新しいニーズを掘り起こし、持続可能なコミュニティを手作りしていくチャンスと捉える。
はじめに山形大学の北川教授が、新ローカリズムということについて講演なさった。開放的で自律的なコミュニティを作るということ、芸術と産業を橋渡しする創造性が大事であることなど。いくら歴史や自然が素晴らしいといったって、そのままでは何にもならない。現代においてどのような価値があるかを提示しなければならない。実際、お寺の裏山で行われている「ぼくらの文楽」は、そこがきちんとなされている。
パネラーは4人いて、私のほかにはロボットによる街おこし、外国人の受け入れ、出身者の定住について話をされた。その後に意見交換。お寺の将来や子育てのことについて聞かれた。「よそ者」との融和や、学校教師が地域で活躍しにくいことなど、私が普段思っていることも伝えられてよかった。
終わってから市長さんはじめいろいろな方に声をかけて頂き、問題意識を共有する方がいらっしゃることを知って勇気づけられる。お寺の存続にもかかわることだけに、力を合わせて今後につなげていきたい。