原発事故で放射性物質が山形県内にも流入しているのではないかと心配する声をよく聞くが、情報源が曖昧なまま、過剰反応しているように思われる。
チェルノブイリ事故でのドイツの体験からとか、そんな過度の一般化で語られても意味がないどころか、パニックを引き起こす恐れを考えれば迷惑ですらある。次に出てくるのは「政府は真実を隠している」論。そんな真実がないことは調べれば分かるし、あったとしても隠す余裕なんてあるまい。
「佐渡に逃げよう」とかお茶飲み話で冗談を言っているくらいならまだいいが、昨日長男が園児バスから降りたときマスクをかけていたのには閉口した。「悪いものが口に入らないようにだって」と長男。保育園で心配してくれる気持ちは分かるが、こうやって根拠のないものに過剰反応するのは教育上よくないと思う。
こんなことも起きた。
日本経済新聞:山形県教委「被曝の可能性、すぐ下校を」 小中高に独断で通知
荻上チキ氏は、誰もが誤報の拡大に加担してしまう可能性があり、しかも流言を拡散する人は自分のことを「リテラシーがある」と思い込んでいたりすると指摘している(『ダメ情報の見分けかた』)。ガソリンなどの物資不足についても然り。混乱が全国に広がる中、情報源を確認して正確な情報の把握に努めたいものである。
山形県における放射線の状況
地震前のガンマ線量は0.025〜0.082マイクロシーベルト毎時で、地震発生後は0.114〜0.135マイクロシーベルト毎時。増えてはいるが、1年間にさらされてよい放射線の限度とされる数値(1,000μSv)の約1万分の1のレベルであり、人体への影響はない。