「時給50万円ですけど何か?」という帯が笑える。実際お坊さんの世界も格差社会だが(このことは本書でも「金持ち坊さん、貧乏坊さん」の項で触れている)、宗教法人の非課税などで優遇されているのは事実。そんな裏側を、お坊さんである著者が紹介する。
・3円のろうそくを4円で売ったら税金がかかるが、100円で売ると税木がかからない(宗教的価値が認められる)
・地代を固定資産税の3倍以下にすれば非課税なので、お寺から土地を借りると安い
・お布施は思い切って自分の考えている金額を「○○円でお願いできませんか?」と聞いてみよう
・埋葬するときはお寺の住職の指示に従わないといけないため、よそで戒名をもらってくると付け直しを要求される「ダブルお布施地獄」が待っている
・お布施が上がっているのは平均より少し上を目指す見栄(全国のお葬式のお布施アンケート結果…50万円超が4割で増加傾向)
お金のことばかりでなく、不飲酒・不邪淫のこと、お供え物の行方、檀家制度、副業、後継者問題と幅広い。軽口で述べられているのでうっかり読み過ごしてしまいがちだが、超ポジティブな書き方の中に、お寺の行く末へのニヒリズムが込められているような気がしてならない。