この頃メールへの信頼が落ちている。送ったのに届いていない、送ってもらったのに受け取っていない。ミクシィのメッセージのほうがよほど確実だ。毎日いくら迷惑メール報告をしても次々と舞い込む新しい迷惑メール。インターネットはいったいどうなっているのか気になってこの本をとった。
本のタイトルの答えはいかがわしい業者(資金が足りないか、放送倫理に抵触するものを取り扱う)がほとんどで、あとは詐欺師、怨恨を持っている人である。どうしてこんなに迷惑メールが多いのかというと、送信コストがかからないのに引っかかる人が多い(あるアンケートではクリック率39%と)からである。
来るもの拒まずで架空アドレスからでも確認せず受け入れてしまう「人のいい」メールサーバ、どうしてもグレーゾーンが残るために迷惑メールを防止しきれない改正特定商取引法などの法律はいずれも迷惑メールを防いでくれない。サーバのチェック機能やデジタル署名など新しい仕組みも用意されているようだが、それも同様である。厳しくすれば、必要なメールまではねられてしまうからである。
一番は情報リテラシということになる。本書で「秘伝・迷惑メール対処法」というのはメールアドレスを公開しない(あるいは@マークを別の文字で出す)、捨てアドレスを使う、NGワードで排除、HTML形式のメールは避けるなどのありきたりなものばかりだが、結局それくらいしかないんだろうなというのが結論か。