独詠師

昨日、妻がパリから無事帰ってきてバトンタッチ。今日から山形に10日ほど滞在する。
1人で2人の子どもを見るのは1日が充実していて結構楽しかった。でも見知らぬおじさんに「たいへんだね〜」とか声をかけられたり、保育所の先生から「(お母さんが帰ってくるまで)あと○日ですね?」などと頻繁に言われると父親が子どもを見るのって世間的に認知されていないんだなとちょっと物寂しくなる。
今日は11時から法事があったので昨日のうちに山形に移動しておこうとも思ったが、それでは妻とすれ違いになるので今日の早朝に立つことにした。タクシーを呼んで駅まで向かい、つくば5:28発、羽前成田9:43着。このところ毎朝早起きしているので、5時前に起きるのもあまり苦にならない(22時には就寝しているからだが)。
11時の法事、13時の仏壇開眼、14時の墓地抜魂と檀務を終わらせて、16時から近隣の寺院の法事に出席。法要では独詠師という配役を与えられた。焼香師が献供やお拝などをしている間に御詠歌をソロで唱えるという、おいしすぎる役目だ。ばっちり決めれば法要参加者に感銘を与えることができ、失敗すれば法要自体をぶち壊してしまうという紙一重。
しかも今回は先輩の和尚さんから、『大聖釈迦如来涅槃御和讃』3番と『追善供養御和讃』3,4番を続けて唱えよという指令。この2曲は意趣が非常に似通っていて、唱え分けるのが難しい。至るところに類似する楽譜が混在しており、暗譜も容易でない。しかも歌詞は普段あまり唱えない後ろのほう。歌詞改定もある。要するに今度受験予定の検定対策なのだ。
♪教えのままにしたがいて 戒法(いましめ)まもりゆく道の そこに仏の命あり 怠るなかれもろびとよ
つくばからずっと練習してきたが、そんな付け焼刃ではうまく行くはずもなかった。何とか歌詞と楽譜を間違えないで唱えるという最低限をクリアしただけで、暑さと緊張でガチガチになり曲想どころではない。修行が足りない。
さらに緊張を増加させたのがマイク。妙にボリュームが大きく調整されていて、その分生の声の音量を絞らなければいけなかった。緊張しているところにpやmpで行けば、声が震えてしまうのである。次回からはマイクなしを希望しよう。
終わってからその先輩の和尚さんに「今日は調子がよくなかったね」と言われ、落ち込みながら食事では喉も通らない。帰りの車中ではずっと今日の曲を唱え続けてきた。
しかし今日はそれで終わらない。19時から一般向けに御詠歌を教える日となっている。高齢化に悩む梅花講の打開策として、気軽に始められる御詠歌の会を企画したもので、現在4人が受講中。開始時は自信喪失で息絶え絶えだったが、教えているうちにだいぶ調子を取り戻した。
明日は法事2件。塔婆を書いたりしているうちにこんな時間になってしまった。つくばでは子どもと一緒に9時には横になっているのが、山形に来ると途端に0時を過ぎるのは、母と祖母が夜更かしだからだ。

1件のコメント

  1. 永源寺 梅花講 札所巡り

    楽法寺でお唱えも済み、にこやかなに記念写真を撮りました。、…

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