『「伝わる!」説明術』

たとえ話=アナロジーを使ってものの関係を明らかにするという方法。この本自体にアナロジーが多用されており、分かりやす過ぎてうんざりするくらい、分かりやすい。
因果関係から無関係まで10列挙されたアナロジーの頻出パターンは実用的。じゃんけん関係「ニワトリと卵」は、相互依存や循環論法として、議論をチェックするポイントになる。
たとえに使うものは、「題材がよく知られていて、わかりやすい」ものでなければならない。帰納法であれ演繹法であれ論理的にはどんな実例でもよいことになるが、ここであくまで聞く人に合わせて実例を選ぶということが重要なポイントになっている。
聞く人に合わせてといっても、「アナロジーに自分たちが登場する場合」は避けたほうがよい。喩えに使われていない要素を捉えて反論されると、伝えたいことが伝わらなくなってしまうからだ(これは、議論で反論者が意図的に使う方法でもある)。
「データよりも、その評価(意味づけ)が大切」という点は、ものを書くときにも注意したいと思った。「だから何?」と言われないように。
話のうまい人は、たとえ話に感心する。いざ自分で考えてみると陳腐だったり、意味不明だったり、不自然だったりしてなかなかピッタリ来ない。著者が「10考えておいて2使う」というように、関心のある問題については常日頃から考えておくことが大切だと思った。

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