4時起きで元旦祈祷。今年のメニューは、暁天坐禅、転読大般若、本朝課とオーソドックスにした。先日『ナムカラタンノーの世界』を読んでから、大悲心陀羅尼を21回読むチャレンジをしようと思っていたのだが、年末に届いた曹洞宗報1月号に、修正会という正月行事を見つけた。
修正会とは中国の年始を祝う儀式で、奈良時代から日本でも行われていた。正法の興隆と国土の昌平を祈念する儀式で現在でも法隆寺などで行われている。禅宗も早期からこれを取り入れたが、修正会という名前は明治になって消滅し転読大般若の部分が現在まで伝わっている。
…お正月には先代住職も転読大般若をしていたが、そんなに伝統のあるものだとは知らなかった。
転読大般若というのは、600巻の経本をパラパラめくって読んだことにするという儀式。10人ならば60巻ずつ分けてやるが、1人の場合は600巻全部をパラパラめくるようなことはせず、そのうちでもっとも功徳が大きいとされる第578巻般若理趣分品だけを全部音読する。かなり早口で読んでも30分以上かかるお経で、けっこうたいへんなのでここ2,3年は省略していた。そんなことではイケナイ。
早朝の本堂は零下。長厚着の衣姿で、温風ヒーターを背中に背負って、マスクと帽子をつけて始める。そんなの上半身裸で滝に打たれながらするものだと思う人がいるかもしれないが、苦楽中道が大切なのだ(といって楽をした言い訳をする)。
坐禅15分、転読大般若30分、本朝課30分。合計1時間15分で元旦の祈祷を終える。今年のお札は自信をもってお出しできる一品。終わると空が白んでいた。
朝食を食べ終えて年始客の接待。今日だけで125件、300人ほどが訪れ、お札や記念品をお渡ししてお茶を出す。1日中しゃべっていたが一番の話題は大雪。2位が第二子の誕生についてで、3位が祖母の具合だった。
修正会では転読大般若は正月の3日間毎日行うとされるが、2日3日は今までやったことがない。もう眠いので寝て、明日起きてから考えよう。