インド滞在1ヶ月.食事が安定してくると生活も安定したような気になるものだ.
朝だけ自宅でパンにスライスチーズ,スクランブルエッグ,炒めたピーマン,トマト,ゆでたオクラ,牛乳,バナナといったところ(写真右・牛乳はミロ入り).昼食と夕食は野菜がほとんどないのでここでしっかり食べる.卵1個4円,トマト1個3円,バナナ1切れ3円,牛乳1リットル60円.いずれも休日に近所の市場で買っておく.卵屋さんは鳥肉も(その場でしめて)売っているが,まだ買ったことはない.この前行ったとき物陰から鶏のすごい悲鳴が聞こえてきてからそんなに食べたくなくなってしまった.ちなみにお隣は羊肉屋.当然のことながら,お店の前では貧相な羊が草を食んでいる.
八百屋さんと果物屋さんは別で,市場に何件も並んでいる中からよい品と誠実そうな売り子を見て決める.だいたい買うところは決まってきた.品は指差しで示すし,金額は英語で言ってくるのでマラーティー語を使う必要がない.ただ「このパパイヤはどうか」「このポテトはどうか」といろいろ勧められたときにだけ,「ナコー(要らない!)」と強めに言うのが効果的.相手はニヤッとしてそれ以上勧めない.八百屋には人参,茄子,瓜,キャベツ,カリフラワーなども売っているが家にある調味料が現在塩だけなので見合わせている.
昼は大学内の学食(写真右)にて.食堂が2つと,屋外が1つ.食堂では50円前後,屋外は軽食で30円前後.だいたい全種類食べたと思うが,お気に入りはプリー・バージー(チャパティを揚げたものにカレーが付いている).そしてラッシー(飲むヨーグルト)25円は必ずといっていいほど飲む.ほかにラッシーを飲んでいる人はあまりおらず(たいていチャイ(ミルクティー)を飲む),いつもラッシーを頼む東アジア人として店員に覚えられているような気がする.
軽食を食べられるところは,いつも勉強している建物のすぐそばにあり,休憩時間などにはチャイ8円,ジュース30円などを飲む.ここは大学の中心部にあり,学生がいつもたむろしている憩いの場になっている.売店では売り子によって値段が変わり,おばあさんのときは8ルピーのジュースも10ルピーのジュースも全部12ルピー.おかあさんのときは1歳にも満たない赤ちゃんを地面に寝かせて店番をしている.おとうさんのときはすぐどこかに行ってしまい,大声で呼ばなければならない.
大学に行かない休日などは,近所のパン屋さんでサンドイッチを買ってくる.50〜80円くらい.ほとんどのサンドイッチはマサラとコリアンダー(香草)が入ったインド風味で,中が黄色い.それ以外のものを食べたいときには値段の高い店に行かなければならない.
夜は自宅近くのレストランにて.歩いていける近場に5件ほどある.そのうちよく行く3件はベジタリアン専門で肉や卵は出ない.よく食べるのはターリー(チャパティとご飯にカレーと付け合せがついた定食)で60円〜80円.そのほかにビリヤーニ(チャーハン)もよく食べる.インド料理の付け合せは必ずといっていいほど生の玉ねぎスライス.これにレモン汁を絞って食べる.レモン汁をよくかけないと胸やけするので注意が必要.「チャイナゲート」という中華料理屋もあるが,チャーハンも焼きそばも,全部赤い.そして辛い.和風中華があるように,インド風中華もあるものだ.
お腹が空いていないときは立ち食いの軽食屋がすぐ近くにある.だんごやヨーグルトや乾麺を砕いたものやスパイスを手当たり次第に入れる料理やお好み焼きのような料理がここにはある.ココナッツミルクのデザートがお気に入り.価格は学食なみ.それからもう1件,夜にラッシーを売っている店がある.食べたりないときはここでもラッシー.家に帰ったらミネラルウォーターをしょっちゅう飲む.1リットル30円,2リットル48円.暑いということもあるが,外食は結構塩辛いので喉が渇くものだ.スナック菓子はどこにでも売っているが,これを買ったらおしまいのような気がして,手を出していない.
日本で一人暮らしをしていた数年間は朝はパンと牛乳とバナナ,昼はラーメン,夜は700〜800円の定食が普通だったので,それと比べると健康的かつ経済的と言えるだろう.肉・魚はほとんど食べていないが,その代わり甘いものの比率がぐんと上がった.大学の行き帰りに中古の重い自転車をこいで運動している.