日本に荷物を送る(3)

いよいよ最後の大荷物、冬物のコートとインドで買ったボードゲームを送る。ペンキ屋の箱では小さくて、電気屋からクーラーの箱を買ってきた。30ルピー(75円)。日本だったら、どこでもただで手に入るダンボール箱を入手するのがまず一苦労だ。
ボードゲームはたいてい上げ底なので、内箱を捨てて中にカードゲームやCDを詰め込む。「エッセン旅行のためのバックパッカーガイド」をヒントに思いついたものだが、散乱や破損防止になってよい。ダンボール箱に服、ゲーム、服の順で入れてクッションとした。また、船便は20キロまでと定められているので予め近くのお店に運び、20キロ以下であることを確認しておいた。もし20キロを超えているならば、新たにダンボールを購入して荷物を分割しなければならない。
中央郵便局からの発送も3回目となれば手際もよい。荷造り屋とはお互いに顔を知り合っているので気楽だ。リキシャーを降りてすぐ、荷造り屋に一切を任せる。今日は、前回、前々回とチャンスを逸したラッジューの奥さんが登場。3度目の正直というが、この奥さんが一番丁寧で、手際がよくて、安くて、しかも親切だ。もっともこれは雨季が近づいて荷物を出す人が少ないからかもしれない。繁忙期となれば1人1人にそんなに手厚くはできないだろう。
まずは荷物検査と重量測定がある。このために封はしていない。今回は新人の職員ということで、ボードゲームの箱まで1つ1つ開けて中を確認していた。「アップル
トゥ アップル」のカードを取って、「これは何だ?」たまたま取り上げたカードが恥ずかしいカードでなくてよかった。近くに座っている上司に「CDはいいですか?」「このボードゲームを見てください!」などといちいち報告する。「俺も日本に行きたいな」というので「行くか、この荷物の中に入って」と答えたら上司が笑っていた。ラッジューの奥さんは「あの新人は馬鹿よ。全部見ないと気がすまないの」と言っていた。
モーネおじいさんは笑顔でまたやってきた。プラディープとはまだ会っていないという。ラッジューの奥さんに聞いた話によると、モーネおじいさんは荷造り屋ではなくて道端で自転車の修理をしている人(サイクル・ワラ)で、仕事がないので郵便局の中であちこち手伝いをしているのだという。「俺は好きだな、あのおじいさん」というと、ラッジューの奥さんは鼻で笑った。帰りにモーネおじいさんがお金を請求してきたとき、ラッジューの奥さんがプラディープとモーネおじいさんが友達だと証言してくれたおかげでうまく切り抜けることができた。
ラッジューの奥さんが連れている1歳半の娘ソニアは、お母さんが人ごみの中にいるときはドアの陰に隠れてじっとしており、また荷造りしているときは半径15メートル以内をあちこち歩き回っている。着ている服はお世辞にもいいものとは言えなかったが、笑顔をかければ笑顔を返してくるのがかわいい。約1時間で発送をすべて完了した。荷造り代150ルピー(325円)、送料2555ルピー(6388円)。
以上、郵便局から日本に荷物を送るときの注意点をまとめる。


  • 荷造り屋がいる中央郵便局に行くこと。小さい郵便局では荷造りできないので拒否されることが多い。
  • もって行くもの:ガムテープ、はさみ、油性マジックペン、ボールペン、お金多め。
  • 荷物検査があるので、箱の封はしないでもっていくこと。見られて説明に困るようなものは送らないこと。
  • 船便は書籍小包が5kgまで、それ以外が20kgまで。荷造りは必ず布で巻き、書籍小包は一面を開ける。
  • 荷造り屋は梱包だけでなく発送や郵便局員との交渉まで手伝ってくれるので頼むのが吉。
  • プネーの場合荷造り屋は3人ぐらいおり、値段が違うので全員にあたって安いものを選ぶのがよい。
  • 荷造り代は書籍小包が1つ40〜80ルピー、20キロ程度の荷物なら1つ150〜200ルピー。頼めば自宅まで荷造りに来てくれるが、追加料金あり。交渉すること。
  • 書籍小包は一般窓口(プネーの場合3〜5番)から、それ以外の大きな小包は小包窓口(7番)から。
  • 送料:書籍小包は1kgあたり約30ルピー、その他の船便は1kgあたり約140ルピー、航空便は1kgあたり約250ルピー。街中の民間業者に頼むと1kgあたり550ルピーだというので格段に違う。
  • 頼みもしないのに手伝ってくれた人には気持ちでチップを。断るなら最初に。

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